『 王女さまが  ・・・ いいの? ― (3) ― 』

 

 

 

 

 

 

ザッバ −−−−−  ン ・・・・!!

 

出来ればかっこよく崖の上からでも 大海原に飛び込みたかった・・・!

正体不明の敵に襲われている  《 美女 》  を救出すべく 009 としては

そのトレードマークである黄色いマフラーを 派手に靡かせ華麗に海へ!  

 ・・・ が理想だったのだが。

 

今 ジョーが駆けつけたのは砂浜で 件のおんぼろ・ボートは目の前の海の沖合いで

ぷかぷか揺れているのだ。

 

     くそ〜〜〜〜 !!!   なんだってこんな状況ばっかなんだよ〜〜

 

ジョーはかなり悪態をついていたが。

 

「 おとうさ〜〜〜ん!!   がんばってェ〜〜〜 」

「 おとうさ〜〜ん おとうさん〜〜〜 」

 

しっかり手を握り合って声援している我が子達の熱い視線を浴びつつ ―

バシャバシャバシャ ・・・・   ジョーは  009  に気分をきりかえつつ

海へと突進していった。

 

  ―  海の中ならば服は燃えない かも。

 

ジョーはチラっとそんな考えが浮かび 一瞬 ・・・  加速そ〜〜〜ち・・・! と唱えようとした。

 

  しかし。

 

≪ ジョー!!! 加速したら ― だめ!! ≫

≪ え?? え ???  ど どうして〜 ≫

≪ だめよッ  今日はギャラリーが多すぎる!  特に ウチの二人が ・・・ ≫

≪ !  そ  そうだな。 ウン 了解! ≫

 

 バシャ ッ !!!   ジョーはヤケクソみたく思いっきり波飛沫をあげるとモーターボートに

接近した。

ちょうど <怪しいヤツ> が例のオンボロ・ボートの側に寄ってきた時、 

 009は ガっと船端を掴み ―

 

   「 おい!  何をする!!!  その手をはなせっ !!   」

 

ひらり、とモーターボートに飛び乗った!    目の前では ・・・

見知らぬ大柄の男が おんぼろ・ボートからキャシー嬢をひっぱり上げようとしていた。

「 このヤロウ・・・!  彼女を放せ! 放すんだッ ! 」

009は ソイツの襟髪を掴み 一発お見舞いしようと、鉄拳を固め腕を引き狙いを定めた。

「 おい。 聞こえないのか!  ― は な せ ! 

  ―  シュ ・・・!   009の鉄拳が 宙を切りソイツの顎に炸裂 ・・・ しよ〜とした時。

 

     「  Mr. ジョン 〜〜〜〜  あなただったのね。 」

 

キャシー嬢が ひし・・・! と 見慣れぬオトコの胸にすがりついたのだ。

 

    え????   ―   スカ ・・・・ ッ !!!

 

009の鉄拳は見事に空を切り ― 次の瞬間 ジョーはバランスを崩し ・・・

 

    じゃっぼ 〜〜〜ん ・・・・   正義の味方 はあえなく海に再落下した。

 

 う ッそ ・・・  冗談じゃないぜ〜〜〜 

 

ジョーは虚しい叫び声とともに 見事に海中に沈んでいった。

 

 

 

 

  ―  へ  〜〜〜 っくしょい ・・・・!

 

特大のクシャミが リビング中に響き渡った。

「 あ・・・ 失礼 ・・・ ( ぐすぐす〜〜 )  で そのう、ソチラさんは ― 」

「 申し遅れまして ―  ジョン・スチュワート といいます。 」

暗い色の髪をした青年は 穏やかに自己紹介した。

「 あの! 私の ―  ・・・ フィアンセ  なんですの。 」

キャシー嬢が慌てて付け加えた。

「「  フィアンセ 〜〜〜 !?   あ ・・・ 失礼 ・・・  」」

ジョーとフランソワーズは思わず同時に叫んでしまい 同時に詫びた。

「 いえ。  私の方こそ勝手に御宅様の敷地内に侵入しまして・・・

 申し訳ありませんでした。 」

青年、 いや Mr.ジョン・スチュワート は丁寧に謝罪をした。

 

ギルモア邸のリビングは 時ならぬ賓客とずぶ濡れの若当主とその夫人、

そして彼らの後見人の老当主が お茶のテーブルを囲んでいた。

・・・ ソファの隅っこには ちっちゃな色違いのアタマが二つ。

時折 もぞもぞしつつもしっかりお口を閉じて ちんまりと座っていた。

「 ここに居るならば絶対に大人しくしていること。 お喋りしたらレッド・カードで退場! 」 

を申し渡されていたので 二人はこれも色違いの瞳をめいっぱい大きく開いて

じ〜〜〜〜〜っと大人達を眺めていた。

 

海上での大騒ぎのあと ―  モーターボートを入り江下に停泊してもらい。

ジョーたちは件の青年を 崖の上の洋館へと招じた。

キャシー嬢の様子から 少なくとも彼は<怪しいヤツ> ではなさそうだったし

ともかく詳しい事情を聞かねばならなかった。

  ― それに ずぶ濡れのジョーも着替えたかったのだ。

 

「 ―  ほう ・・・ では貴女はモナミ公国の ・・・ 」

「 黙っていて失礼いたしました、 ミスタ・ギルモア ・・・ 」

「 私からも彼女がお騒がせしましたことをお詫びいたします。

 なにせ ・・・ この姫君は勝手に宿泊のホテルを抜け出してしまわれまして・・・ 」

「 ほうほう・・? これは随分と活発な姫君ですなあ ・・・ 」

「 まあ そんなわけで。  同行の女官長からSOS が届きましてね、

 急遽 私が後を追い駆けてきた、という訳なのです。 

 勝手にこちら様の領海に入りまして申し訳ありません。 」

「 あ ・・・ いえ、 この辺りは その・・・ 公の海ですから・・ 」

「 ほう? そうなんですか。   姫 ・・・ マダム・ミレットは心労で倒れそうでしたよ? 」

「 ・・・ 何にも悪いコトなんかしてませんわ、 私。  

 ただ ちょっと ・・・ 黙って散歩に出ただけ ですもの。 」

「 ですから それは 」

「 もう結構よ、Mr.ジョン。  あなたは何時だって正しいことしか言わないわよね。 」

「 姫 ・・・

「 私にだって ちょっとくらい ・・・ 自由があってもいいでしょう?

 なにもそんな ・・・ 抜け出して帰らない、というのじゃないのですもの。 」

「 姫君。  またそんなコトを! 皆がどんなに心配したと思っているのですか。 

「 ・・・ わ 私だって  私だってね!

 ごく当たり前の ・・・ 普通の娘のように過してみたかっただけよ。 

 そう ・・・ たった一日だって いいの! 」

「 だからそれが ― 」

「 まあまあ ・・・ そんなに声を尖らせなくでもよかろう。

 お嬢さん  あ いえ 姫君 そして フィアンセ殿。 」

キャシー嬢、いや 姫君が涙声になってきた時に ギルモア博士がやんわりと割って入った。

「 あ ・・・ いやあ〜 どうもお騒がせしましてお恥ずかしい ・・・ 」

「 お若いお嬢さんですからな〜  羽を伸ばしたいのでしょう。 

 貴方にもご心配を掛けたようじゃなが ま・・・ こうしてご無事でいられましたし・・・

 こんなコトは今回限り、ということで 仲直りなさってはどうですか。 」

「 あ いやあ〜 ・・・ ご意見 ありがとうございます。

 そこまで言ってくださるのでしたら ―  姫? 」

「 ・・・ 心配かけて  ごめんなさい ・・・ 」

姫君は 蚊の泣くような声でやっと謝罪の言葉を口にした。

「 ほい これでオシマイ めでたし めでたし・・・と ・・・ 」

博士の飄げた言葉と共にほっとした空気がリビングに満ちる。

ソファのすみっこでじ〜〜っとしていた二つの姿が もぞもぞもぞ♪ って一緒にうごいた。 

 

    ―  あ ! なんか言うわね〜 これは〜〜

 

お母さんは そっと肩を竦め こころの準備をした・・・・

きょろきょろっと目をうごかして声をあげたのは ― 珍しくもすばるの方だった。

「 おかあさん、 ふつ〜のむすめ  ・・・ ってなあに? 」

「 普通の娘 って あなた達みたいなヒトのこと。 

 キャシーさんはすぴかやすばるみたいな 普通の一日を過したかったのですって。」

「 ふうん  僕とかすぴかとか  わたなべ君とかと同じ?  」

「 そうね。 」

「 じゃ! ウチでやればいいよ〜〜 ね〜〜 すぴか 」

「 うん!  ね! いっしょにやろ〜 おねえさん! 」

二人はいつの間にかキャシー嬢のそばにやって来ている。

「 え ? ・・・ あ〜 ・・・ 」

「 あはは ・・・ それはいいなあ。 ウチで <普通の日> を味わいますか? 」

「 それはいいですね!  もしご迷惑でなければ ・・・ 是非。  ねえ キャシー? 」

それまでず〜〜っとにこにこと皆の話を聞いているだけだったMr.ジョン が

静かに口を挟んだ。

「 ― あ ・・・ あの ・・・ 」

「 ウチは構いませんよ〜  本当に何もお構いできませんけれど ・・・ なあ? 」

「 ええ。  ごたごたしててびっくりなさるでしょうけれど。 」

苦笑しつつ振り返った夫に フランソワーズも笑って応えた。

「 それで ・・・ お宜しいのでしたら ・・・ 」

「 是非。 お願いします。  キャシー、よかったですね。 」

「 ・・・ ええ ・・・ 」

オトナたちがにこにこしている中 当のキャシー嬢だけがかなり微妙〜〜な顔をしていた。

 

    ・・・・ も 燃える恋 はぁ〜〜〜 ?

 

 ― さっそくチビたちがわやわや言い始めた。

 

    「 ね! 僕たちの <おしごと> おしえたげる! ね〜〜 すぴか! 」

 

    「 うん! まずね  お庭のかだんとおじいちゃまのぼんさい にお水! 」

 

    「 じゃがいもむくんだ〜  さやえんどう の スジ、とるんだ〜 」

 

    「 お皿 あらい。 すばると二人でお手伝いするんだよ〜。 」

 

「 え ・・・ そ そうなの? 」

「「 ウン!   おねえさ〜ん おにわに行こ! 」」

「 え? あ あの〜〜 」

「 すぴかちゃん すばるくん?  キャシーのこと、お願いしますよ。 」

Mr.ジョン は 二人ににこにこ・・・笑いかける。

子供好きなのだろう、すぴかとすばるも本能的に彼に懐いている。

「「 は〜い お兄さん〜〜 」」

 

     うそでしょう〜〜〜 ・・・?

 

せっかく <憂愁の美青年>と至近距離にまで寄ることができたのに・・・ 

とキャシー嬢は半ベソ状態だ。

「 あらあら ・・・ お洋服が汚れてしまいますわ。  

 今 エプロンをお持ちしますね。 」

「 いろいろご迷惑をおかけいたしまして ・・・ 申し訳ありません。 」

「 いいえェ お客様にお手伝いして頂くのですもの。 

 あなた達も普段着にお着換えしましょうね。  ジョー ・・・ 見てやってくれる? 」

「 ああ。 さあ〜 すぴか すばる〜〜 おいで。 」

「「 は〜い♪ 」」

たた・・・っと駆け寄ってきた子供たちの手をひいて ジョーはリビングを出ていった。

 

    あ  ああ〜〜〜ん ・・・  もう〜〜 なでこうなるのよ〜〜

 

キャシー嬢は泣きたい気分で セピア色のくせっ毛を見送ったのだった。

 

 

 

「 あ〜〜 ダメだよォ〜〜 お水はねえ、すこしづつ! 」

「 そうだよ〜〜 じゃぽん・・・ってやっちゃいけないんだよ〜 」

 

「 おじいちゃまの ぼんさい はねえ・・・ このちっちゃなのでお水、あげるんだ〜 」

「 僕ね じょうずなんだよ〜  ちょろちょろ・・・って。 」

「 ・・・ おねえさん ヘタぁ〜〜  アタシがやる! 

「 うん。 おねえさん、 ほら もっとお水 もってきて! 」

 

「 あ! おわったらちゃんとかたづけるんだよ〜 じょ〜ろ はあっち! 」

「 だしっぱなし、 は げんてん なんだ〜 」

 

     ぅ〜〜〜〜 ウソでしょう???

     私が 〜 なんだって庭師の真似事、しなくちゃならないの〜〜〜

 

     ああ・・・ せっかくのお気に入りの夏のスカートがああ・・・

 

「 あ! おうちに入ったら まず手をあらってうがい! 

 お約束なんだよ〜〜 おねえさん、しらないの? 

「 ばする〜む こっち!  はやくしなくちゃ! 」

 

「 つぎはねえ〜 きっちん! 」

「 あ でも今日は じゃがいも、使うのかなあ? 」

「 う〜ん・・・ あ アタシ、 おかあさんにきいてくるね。 」

「 ウン。  僕〜〜 おねえさんに じゃがいものかわむき と サヤエンドウのスジ取り 

 おしえてあげるから。 」

「 うん、 おねがい。 」

「 おねえさん、 おねえさん家 ( ち ) でもお手伝い、するでしょ? 」

「 ・・・あ  あのね。 おねえさんトコはね ・・・ キッチンでは別のヒトがお仕事しているの。 」

 

   ・・・ 王妃や姫は ・・・ お食事、作らないわよねえ・・・

 

「 え。 それじゃ〜さ、 おねえさんのおかあさんは何をするの? 」

「 お母様? う〜ん ・・・ と ・・・? 」

キャシー嬢は 真剣に考えこんでいる。  

 

   お母様って ― なにをしていらした かしら・・・? 

 

「 おねえさん。 おねえさんのおかあさんは? 」

「 私のお母様は 私がボクくらいの時にご病気で亡くなってしまったの。 

「 え!! お おねえさん ・・・ おかあさん ・・・ い いないの? 」

「 ええ。 」

「 ・・・ お おねえさん ・・・・ かわいそう ・・・ 」

すばるはもう涙目になっている。

「 そう? でも お父様がいらっしゃるから ・・  淋しくないのよ。 」

「 ・・・でも  うっく ・・・でも ・・・ あ! そうだ! あの ・・・ あの ね

  ぼ 僕のおかあさん ・・・ か かしたげる! 」

「 ・・・ はい? 」

「 おねえさん、ウチにいる間・・・ 僕のおかあさん、かしたげる。  ね! 

 だから ― なかないで。 」

「 え ええ ・・・ 」

「 ね〜 ね〜 おかあさん〜〜  おねえさんとね〜 」

すばるは キャシー嬢の手を引いてキッチンまでゆくと 彼女を押し込んだ。

「 ね! 僕のおかあさん、かしたげる!  はい!

 おかあさん 〜〜  あのね、 あのね 今だけ ・・・ちょっとだけ だけど。

 おねえさんのおかあさん、になったげて! ・・・ちょっとだけ だよ! 」

「 え?? な なあに、すばる?? 」

「 じゃね。  はい、 おねえさん! 」

すばるは キャシー嬢の背中を押してキッチンに入れると、 ばたん! とドアを閉めてしまった。

 

    「 ・・・ 今 だけ だよ〜〜〜 !!  おねえさん! 」

 

「 あ  ・・・ ああ  ああ ど どうも ・・・ 」

「 あの ・・・ すばるが なにか  しました? 」

いきなり キャシー嬢がキッチンに <押し込まれ>てきて フランソワーズもびっくりしている。

「 え・・・ いえ あの〜〜 」

 

  ― バタン!  もう一回キッチンのドアが開き 今度は亜麻色のアタマひょっこり入ってきた。

 

「 おねえさん。 」

 碧い瞳が じ〜〜っとキャシー嬢を見上げている。 

なぜか ・・・ この瞳に見つめられるとキャシーはどうも居心地がわるい。 

なにもしていないのに ・・・ どぎまぎしてしまうのだ。

「 ・・・ あ   あら。  すぴかちゃん、   なあに 

  おかあさん   貸したげるけど。   」

すぴかは一度言葉を切ったけれど、視線はそのままだ。 じ〜〜っとみつめている。

「 あのね。 ― おとうさん  は貸さないから。 

  おとうさん    おかあさん の、だからね!  

  ―  ずば!っと言うの すぴかは に〜っと笑った。

「 ・・・ ( う ・・・ なに、この眼力〜〜 )       もちろんよ? 」

「 なら いいよ。 ね〜 いっしょにごはんつくろ〜   ね〜 おかあさん♪ 」

「 そうね。 こんなこと・・・なさったこと、ないでしょう? 」

「    ええ ・・・ 一応 ・・・ 料理 は習いましたけれど ・・・ 」

キャシー嬢は フランソワーズの笑顔の前で俯いたままモジモジしている。  

 

    ・・・ このミセス ・・・ ううう〜〜 苦手なのね〜〜

    ううん、感じのいい方なんだけど  ・・・ 初めっから負けてるのよ、私 ・・・

 

「 それじゃ。 こんな体験もいいのじゃありません? 」

「 え ええ ・・・ 」

「 ふふふ ・・・ あの追い駆けていらした方はフィアンセなのでしょう? 」

「 ― はい。 家同士の約束で・・・

「 そう? でも貴女のことを心配してこんなトコロまでいらしたのでしょう?

 ステキな方じゃありませんか。 」

「 ・・・ でも。  いっつもこう・・・静かに後ろにいてくれるだけで。

 私、いろんなことに一緒に熱く!感動してくれるヒトと ・・・ その ・・・ も 燃える恋 ・・・ 」

「 ・・・・・ 」

フランソワーズは だまって笑っているだけだ。

「 ・・・ あ  あの ・・・ 」

「 あの  ね?  ご存知 ? ウデのいいコックは一生失業しないのですって。 」

「 ・・・え?  ・・・ あ ・・・ああ  そ そうなんですか? 」

「 ・・・ あの方のお好きなものとか ・・・ 作ってさしあげたらいかが? 」

「 私 ・・・ 知らなくて。

 君のつくったものならばなんでもいいよ・・・ ってしか言ってくれませんの。 」

「 まあ ・・・ 十分 お熱いじゃありません? 」

「 そ そうですか・・? 」

「 え〜え。  貴女にもお得意なお料理とかおありでしょう?

 たとえば ・・・ お母様が作ってくださったスウィーツとか。 」

「 あ  ・・・  そういえば  母はよくマドレーヌ 作ってくれました・・・

 お父様も大好き っておっしゃって。 時々 ・・・ 私 作ります。

 ・・・ っていうか、 私が出来るものって・・・ このマドレーヌだけなんです。 」

「 大丈夫、 マドレーヌが作れるのなら 晩御飯は大丈夫よ。

 ねえ すぴか? 」

「 うん! ねえ おねえさん〜〜 すばる、よんでさあ いっしょにつくろうよ〜 

 おかあさ〜ん こんばん、 なあに。 」

「 晩御飯は お豆腐ハンバーグよ。 」

「 わあ〜〜〜い♪♪ 」

「 あら?  さっき ・・・ ジョー・・さん、いえ ・・・ ミスタ・島村、釣りに行かれたでしょう?

 ジョンを誘ってくださって。 二人の釣りの獲物を待たないのですか?  」

「  むり。  」

すぴかは野菜室からじゃがいもをひっぱりだしていたが ぼそり、と口を挟んだ。

「 え?  むり・・・って ・・・ 」

「 あのね〜 おとうさんってばよく釣りに行くだけど。  いっつも  むり なんだ〜  

「 うふふ ・・・そうなんですのよ。 

 張り切って行くわりにはいつも 魚屋さん 経由で帰ってくるのね。 」

フランソワーズも笑っている。

そ。  だからさ〜 つけあわせ はなににするの〜、おかあさん。 

「 そうね。   すばるにじゃがいもを剥いてもらって・・・フリッターにしましょ?

 メインは お豆腐はんば〜ぐ ですものね。 」

「 わあ〜〜い♪ アタシ、だいすき〜〜〜♪  ね ね ! タマネギ〜〜いっぱい入れてね! 」

「 はいはい。  じゃあ すばるとじゃがいもの用意、お願いね。 」

「 は〜〜い♪  す〜〜ばる〜〜〜 !!  がじゃいも だよ〜〜 」

すぴかは大声で弟を呼びに飛び出していった。

 

「 ・・・あ あの ・・・ お とうふ ?? 」

「 ええ。 本当はね、ひき肉を使うのですけど・・・ウチは節約してお豆腐と野菜でしあげます。

 こんなのを召し上がるのも きっと最初で最後でしょうけれど・・・ 

 ジョーも子供たちも大好物なんですのよ。 」

「 あ あの! 教えてください! 」

キャシー嬢は 初めてはっきりフランソワーズを見つめていった。

「 はい よろこんで。   ミスター・ジョンにも作ってさしあげてね? 」

「 ― はい! 」

  ― キャシー嬢の キッチン修行 が始まった。

 

 

 

  ・・・ その頃  海上には まあまあボロではないボートが一艘ゆらゆら浮かんでいた。

 

    ちゃっぷ −−−−−−−− ん ・・・・!

 

「 あ ・・・・!   ・・・・ あ〜〜あ ・・・ また逃げられたぁ ・・・ 」

ジョーはエサだけキレイに無くなった釣り針をみて 溜息をついた。

「 あ〜〜 これじゃ今日も帰りは魚屋ゆき、かなあ・・・ 」

「 案外難しいものなんですねえ。 」

「 いやあ〜 オオモノを釣り上げてお見せしたかったんですけどねえ〜 」

「 ははは・・・ こうやって釣り糸を垂れてじ〜っと待つ ・・・ こんな体験だけでも

 十分に楽しいですよ、ミスタ・島村。 」

「 あは ・・・ そう言っていただけると・・・

 お国では釣りなどは なさらないのですか。 確か・・・海沿いのお国ですよね。 」

「 残念ながら ― 祖国は この国ほど穏やかではないのですよ。

 祖国の海もこんな風になってくれればいいのですが ― 凪いだ海ですね 怖いくらいだ・・・ 」

「 なにか ・・・懸念材料があるのですか。 」

「 ええ ・・・ 油断するとちょっかいを出してくるモノが多い現状です。

 正直 ― 時々気が重くなります。  ― 女王の夫として彼女を支え、祖国を護ってゆけるか と 」

「 大丈夫ですよ。 キャシー嬢はきっと立派な女王様になられますよ。

 ・・・ 今はまだ・・・もう少し遊んでみたいだけ、じゃありませんか? 」

「 ははは ・・・だと、いいのですが・・・

 ミスタ・島村。  あなた方のように円満なカップルになりたいと切望していますよ。

 なにか秘訣があるのですか? その ・・・ 円満な結婚生活の・・・

  ・・・!!  あ〜〜! また  ・・・逃げられた〜〜 ! 」

 

   チャプ −−−−ン ・・・・ !   またも釣り糸は虚しく宙に引き上げられた。

 

「 ・・・あは。 円満 なんて。  それなりにぼくらだっていろいろ・・・ありますよ。 

 ケンカもしますしね。 」

「 いや いつまでもお熱くて幸せそうに見えますよ? 」

「 ええ 幸せ ですよ。  ケンカしても 八つ当たりしても ・・・なにがあっても。

 お判りでしょうけど ・・・ウチのはぼくよか年上だけど。 ぼく、滅茶苦茶に惚れてるんですよ。   

だから ― なにがあっても しあわせ なんだ。 」

「 ― これは御馳走さま。  ・・・ というより いい言葉をありがとう。

 私も そんな風に彼女のことを言えるようになりたい。 」

「 ふふふ・・・ 本当は十分想っていらっしゃるでしょう? 

 キャシー嬢だって同じ想いですよ。  あなたを信じているからワガママいってみてるだけ。

 甘えているんです、ウチのチビたちと同じです。 」

「 それなら ・・・ いいのですが。 」

「 どん! と出て ・・・ 公務以外は 俺についてこい!くらい言ってもいいんじゃないですか。 」

「 え ・・・ 」

「 ウチはね、基本方針はぼくが決めてます。 」

「 ほう・・・? 」

「 いや ぼくも仕事が忙しいし細かいことは彼女に任せてますよ、

 そのほうが万事上手く行きますからね。 」

ジョーはもったいぶった風に うんうん・・・と頷いた。

 

     ・・・そうなったらいいなあ〜〜って思っているんだけど さ!

     

ちょろり、と内心舌を出したけれど まあそのくらいはご愛嬌だろう。

「 お若いのによく考えていらっしゃる。 ・・・すごいですな。」

「 いや ・・・ あは  それほどでも ・・・ あは は・・・・

 そうだ、先ほどおっしゃっていたことですが。 」

「 ? 

「 ― お国の現状について ですが。 頼りになる人物を紹介しますよ。 」

「 ― え? 

「 どうぞ ご安心ください。 」

 

   バシャ・・・・! 

 

「 あ〜〜〜 !!! また逃げてゆきやがった〜〜〜 」

「 ― あの。 帰りにステーキ肉でも買って帰りますか? 」

 

 

晩御飯は お客様も島村さんちのみんなと同じメニュウ   お母さん特製 お豆腐はんばーぐ 

を美味しく頂いた。  

家庭的な味は お客さん方には珍しかったらしく、大好評だった。

食事が終わり辺りがすっかり暗くなったころ・・・

立派な黒い車が ひ〜こら岬の坂道を登ってきてお姫さま フィアンセ氏 をお迎えに来てくれた。

 

「 本当にありがとうございました。  ご迷惑をおかけして・・・ 」

「 いいえェ〜 とても楽しかったですわ。 」

「 うん!!  ねえ ジョンお兄さん〜〜 また来てくれる? 」

すぴかはすっかりこの <お兄さん> が気に入ったらしい。

「 そうですね、ミス・シマムラ。  帰国する前にもう一度お邪魔したいですよ。 」

「 まってます! 」

< ミス・シマムラ > と呼ばれて すぴかはなんだか オトナ になったみたいな気分で

どきどきしてほっぺが赤くなってしまった。

「 ではそろそろ失礼します。  ・・・ うん? キャシー? 」

「 ??  あ ・・・ あっちだ、テラスにいるよ、お兄さん。 」

「 ― おや ・・・ 」

 

リビングのテラスには 夜空を眺める影が二つ ― いや。 三つ! 見えた。

「 ・・・ 星が ・・・ きれい ・・・ 」

「 今夜は晴れてますから。 」

「 夜の海って ・・・ ステキですわね。  歩いてみたいわ ・・・二人っきりで 」

「 あ〜〜 夜はねえ 子供は海に行ったらだめだよ、おねえさん。 」

「 あ そ そうなの?  ・・・オトナ同士なら 」

「 オトナじゃ遊べないよ〜 つまんないよ〜〜 」

三つ目の影は さかんに発言をしている。

「 あの! 海が無理なら  ・・・ あの!  

 踊りたかったの 夢に見ていたわ ・・・ ステキな方と ・・・ こんな夜に・・・ 」

「 え〜と・・・ 」

   おどりたいの、おねえさん。 」

  ええ   わがままってわかっているわ ・・・  でも ・・・!  普通の娘が 憧れるように

 情熱的な瞳のヒト と ・・・ ええ  ほんのひとときでいいのよ 」

「 あの〜〜 この国には <踊る>って場所はあんまりなくて ですね ・・・ 」

「 ええ どこだっていいです。  憧れの情熱的な瞳の方と踊れれば ・・・ 」

ずい・・・っと影がひとつ。 背の高い影に迫った。

「 え え〜と ォ・・・? ( おっと〜〜  ・・・ 暑いからな〜 あんましくっつかないでくれ〜 ) 」

「 ね! どこか ・・・ つれて行って 」

「   おねえさん!

ずい・・・っと影がひとつ。 二つの間に割り込んだ。

「 あのね あのね〜〜 いいこと、教えたげる。 明日からさ〜  あるんだ。 」

「 え ・・・ あ  そ そうなの? 」

「 うん!  ね〜 すぴか!   す〜ぴか〜〜 」

「 なに〜〜〜 すばる〜〜〜 」

もう一つ、 ちっさな影が家の中から駆け出してきた。

「 ね ね すぴか 明日っからさあ ・・・ ( ぼしょぼしょぼしょ ) 」

「 なに? ・・・・ あ〜〜 うん  うん ・・・・ そ だね〜〜 」

「 ・・・でね  ・・・でしょ・・・・ 」

「 ああ?  ・・・ うん うん  ・・・ さんせい〜〜 」                           

色違いのアタマがくっつきあってぼしょぼしょナイショ話をしている。

 

≪ おい。 なんだって?  

≪ ・・・わ びっくり。  いきなり脳波通信はやめてよね。 ≫

≪ ご ごめん ・・・ なあ アイツら なにをぼしょぼしょ言ってるんだ? ≫

≪ だめよ。 私信は盗聴しません。 ≫

≪ 私信・・・って ぼく達の子供じゃないか〜〜 ≫

≪ 子供だって プライバシーは尊重しないと ね ≫

≪ ・・・ ちぇ。 ≫

 

「 え〜と ・・・ あ キャシーさん、ジョンさんがお迎えの方がお待ちのようですよ〜 」     

「 ・・・ でも。  踊りたいの ・・・ 」

「「 おねえさん!!  踊れるよ〜〜 」」

「 はあ?? 

すぴかとすばるは一緒になってキャシーの前に立つ。

「 ねえ ねえ・・・ 明日、 またウチにこれる? 」

「 そしたら おどりにゆけるよ!  ね〜〜 すぴか! 」

「 うん。 ね! おねえさん、 ジョンさんも〜〜 明日、もういっかい来てください。 

 ね! おとうさん おかあさん〜〜  いいよねえ? 」

双子たちはジョー達の手にぶら下がってきた。

「  こらこら ・・・ ジョンさんたちにもご予定があるからね。 勝手に決めてはダメだよ。 」

「 そうよ。 二人だけで決めちゃだめ。 」

「「 う〜〜〜ん ・・・ 」」

「 明日、ですか?  ― よし、せっかく誘ってくださるのですから・・・ 大丈夫、

 私がキャシーと一緒に来ますよ。 」

「 わあ〜〜い♪ それじゃ さ ・・・ ねえ すぴか〜〜 」

「 うん、すばる。  それじゃ あしたのいまごろ、来てください。 」

「 ・・・ あの 子供たちが勝手を言って・・・申し訳ありません。

 でも ・・・ もし御都合がよければ  いらしてくださいな。 」

「「  ね! ね〜〜 お母さん♪  」」

「 それで ね。  どうぞ ・・・ 普通の恰好でいらしてくださいね。 」

「 ・・・ フラン???  あの〜〜 ・・? 」

「 ジョー、 あとで子供たちが説明してくれるわ。  ね? 」

「「  うん♪♪ 」」

「 ・・・ あ  ・・・ そ ・・・・ 」

 

全員で門まで おねえさん と ジョンお兄さん を送りに出た。

今晩も ギルモア邸の上には見事な銀河が滔々を流れている。

 

  さようなら   また 明日きてね   お世話になりました  また明日ね 

 

そんな挨拶を交わした後、 黒い車はおっかなびっくり・・・急な坂を下っていった。                                               

    

            

     ドドン   ド   ドン − − −      カッ カッ カッ 〜〜〜 !!

 

威勢のよい太鼓の音が 響いてきた。

「 わ〜 わ〜〜 ことしのぼんおどりだあ〜〜〜 」

「 うん!  わ〜〜い  あ! わたなべく〜〜ん!! りょうたクンも〜〜 」

「 あ〜 えみちゃ〜〜ん  もえこちゃ〜ん♪ 」

海岸通りに近い公園に入ると すぴかとすばるはお友達をみつけてはぶんぶん手を振っている。

二人の後ろには ガイジンのおねえさんとお兄さんが目をまん丸にして立っている。

 

「 ね! ここでおどるんだ〜 ね、 おとうさん? 」

「 そうなの〜〜 今年のね〜 ちょうないかいのぼんおどり なの!  ね〜 おかあさん〜 」

「 ・・・ この国の夏の楽しみなんですの。 皆で気楽に踊ります。 」

「 うん うん ・・・ 簡単ですよ、適当にね、動いていればいいです。 」

ジョーとフランソワーズもにこにこ・・・子供たちの説明につけたしをしている。

「 ・・・ え で でも ・・・ 難しそう・・・ 」

「 ねえねえ 行こ! 」

すばるは、キャシーの手をひっぱってゆく。

「 おねえさん〜 僕とおどろうよ〜  

「 え ・・・ 」

ほら みて!    じょうねつてき だよ〜 おねえさん、あこがれているんでしょ? 」

すばるは 父親譲りのセピアの瞳をきょろり〜ん と回してみせた。

「 ・・・ あ ・・・ そ そう ・・・? 」

「 ウン!  ほら  行こ!  僕とおんなじこと、おどって? 」

「 あ〜〜 アタシも!  お兄さん、行こ! 」

すぴかとすばるは  ― ガイジンのおにいさんとおねえさんの手をとって

盆踊りの輪にずんずん・・・入っていった。

模範は地域の有志・おばちゃん達で あとは皆好き勝手に <〜らしく> 踊っているだけ。

でも 皆 にこにこ・・・楽しそうだ。

すばるは ず〜〜〜っと おねえさんの手を取って踊ってあげた。

 

     「  では〜〜〜 つぎの曲で最後で〜す 」

 

音割れのスピーカーが怒鳴り声をあげると  ―  それまで見物していたヒトや

一休み・・・で イカとかと〜もろこしとかを食べていたヒトもわらわら集まってきた。

 

     チャンカ チャンカ チャン チャンチャン 〜〜   ド  ドン  ド  ドン ♪

 

音楽はやたらと庶民的に賑やかな曲となり オジサンもオバサンもおに〜さんもおね〜さんも

陽気に踊りの輪に加わった。 

「 ― ラスト・ダンスですよ。  お相手お願いできますか? 」

「 え!!!??  あ  あのあの ・・・  はい! 」

息子の後ろから 父親が手を差し出した。

息子は大人しく 父と交代し、 見物の中にいる母の元にとんでいった。

「 あの ・・・  ミスタ・シマムラ  いえ  ジョー ・・・さん! 私 あの! 」

「 ・・・ 叶わなかった思い出 って ・・・ いつまでも色褪せないですよね 」

「 え・・・? 」

「 そんな思い出を大切にしてるのも ステキだなあ・・・ 」

「 ・・・ そ そうかしら ・・・ 」

「 ぼくは フランソワーズに出会うまで、そんな思い出ばっかりだったから。

 ぼくがしっかり掴んだタカラモノって彼女だけ なんです。 」

「 ・・・・・・ 」

「 貴女にはステキなヒトがいる。 夢はね ― 結婚してから見るものですよ ・・・ 」

「 ・・・ え ・・・ 」

「 二人で  ね。 」

「 ・・・ ジョー ・・・ いえ ミスタ・シマムラ ・・・・ 」

 

     ド ドン ド ドン ・・・・!  カッ カッ カッ 〜〜〜 !!!

 

祭囃が一際高くなって  ―  盆踊りはお開きとなった。

 

 

「 ばい ば〜〜〜い おねえさん〜〜 」

「 ばいば〜〜い!! 」

双子たちは遠ざかってゆく黒い車に ぶんぶん手を振っている。

<変わったガイジンさん> のカップルは ごく自然に夜の闇に消えていった。

町の人々は 見物にきた物好きなガイジンさんがいたなあ ・・・ くらいにしか記憶に留めていないだろう。

ジョートフランソワーズは子供たちをつれて のんびり家路についた。

「 ・・・ やれやれ ・・・ やっと帰ったか ・・・ 

 ― 王女サマなんて ・・・ なるもんじゃないなあ・・・ 」

「 あら? ちょっとはつまらないのじゃない? 追っ駆け がいなくなって・・・ 」

「 フラン〜〜 

「 ふふ ・・・ ちょっと意地悪言ってみただけ よ。  お疲れ様。 」

「 ・・・ < 燃える恋 > なんてそんなに欲しいのかなあ・・・ 」

「 あら。 ― ジョーの想いはもう冷めちゃったってわけ? 」

「 ばぁか ・・・ 燃える恋 はね、生涯に一度・・・きみとだけ ってことさ♪ 」

「 うふふん♪ 」

 

「 ― は〜〜  また やってるよ〜 おとうさんたち ・・・ 」

「 ウン ・・・・ ながいねえ〜〜 ちゅ〜・・ってさ。 」

双子たちはぶつぶつボヤきつつ とっとと先に帰っていった。

 

  

 

 さて ―  翌年のこと。

キャシー嬢 ・・・ いや キャサリン王女は婚約者氏と共に非公式に再び来日した。

 

「 え  なんだって? 」

「 だから これ。  ご招待状。  ―  あの キャシー嬢から。 」

「 ・・・・・ 」

ある夜、 帰宅した島村氏の前に マダム・島村 はりっぱな金箔つきの封筒を差し出した。

「 な なんの招待状 ? 

「 ダンス・パーティみたいだけど。 でも これ ・・・ 正式な招待状よ。

 ほら ・・・ ここ ・・・ モナミ公国の ・・・ 」

フランソワーズは封筒のレリーフを指した。

「 ウソだろ〜〜〜  正装してしゃちこばって行けってのか〜〜 

 ぼく 踊れないって知ってるだろ〜〜〜 」

ジョーは情けない顔で 招待状をしげしげと眺めた。

  ・・・ 届いた招待状の宛名は    Mr.  &  Miss Shimamura

「 あれ?  ミス・島村??? そそっかしい事務方が間違えたのかなあ? 」

「 まさか ・・・  」

「 じゃ ・・・ ミス・しまむら ・・・ってったら  すぴか のことか?? 」

「 まあ〜〜 じゃあ じゃあ この Mr.しまむら  は すばる ね?? 」

 

 ・・・まあいろいろありまして。  双子は 最大級のおめかしをしてご招待に応じた。

勿論 いつもの通り!  すぴか が堂々と弟をリードして。

 

  ― そして 舞踏会の会場では。   

 

     ドドン ド ドン !  カッ カッ カッ !  チャンカ  チャンカ  チャン〜〜〜♪

 

居並ぶ紳士・淑女は皆仲良く 盆踊り を踊ったのだった。

 

 

 

 

**************************   Fin.   ***************************

 

Last updated : 07,17,2012.                     back       /       index

 

 

 

 

***************   ひと言  ***************

あの王女サマはフランちゃんの存在を知らないんですよね〜★

【 島村さんち 】 は最強?のメンバーかも・・・